台所のカビ取りや除菌に大きな効果を発揮するキッチン泡ハイター。
キッチン用のハイターといえば、ノロウイルスなどによる嘔吐物を処理する際にも使用されることでおなじみです。
では、このキッチン泡ハイターで布団のカビ取りはできるのでしょうか?
また、使用する場合はどのような点に注意が必要なのでしょうか?
この記事ではキッチン泡ハイターの効果や使用上の注意、またそれ以外の布団のカビ取り対策を紹介します。
布団のカビ取りにキッチン泡ハイターが効果ある?
キッチン泡ハイターは布団のカビ取りに効果があります。
ただ、どんな場合にでも使えるわけではありません。
キッチン泡ハイターは名前の通り、台所での使用を想定して作られた製品です。
その特徴をしっかり理解することが布団のカビ取りをする上で大切になります。
それではキッチン泡ハイターはどのような場合に使えるのか、そして使う時にはどのような点に気をつければいいのでしょうか?
キッチン泡ハイターがカビに効果がある理由
キッチン泡ハイターの効果は主に除菌、漂白、消臭です。
特に漂白成分である「次亜塩素酸ナトリウム」は、カビ細胞の内部に入りこむことで色素を分解、漂白します。
冒頭に書いたノロウイルスはこの「次亜塩素酸ナトリウム」により不活化するのは広く知られていますね。
ノロウイルスだけでなく大腸菌や他のウイルスなど、幅広く不活化効果がある強力な成分です。
また、漂白成分の他に「界面活性剤」が含まれています。
界面活性剤には水だけでは浸透しづらい部分に入っていく「浸透作用」があり、それにより繊維に入り込み汚れを浮かせる仕組みです。
意外かもしれませんが、水と油を混ぜ合わせる必要がある食品にも界面活性剤は使われているのを知っていますか?
もちろん人体に取り入れても問題のない、安全性の高いものです。
界面活性剤というと洗剤というイメージがありますが、それだけではないんですね。
キッチン泡ハイターにはこれらの成分が含まれていることで、カビに対して大きな効果を発揮します。
キッチン泡ハイターで布団は傷まない?
キッチン泡ハイターの効果は強力で、使い方を間違えると布団を傷める可能性があるので注意が必要です。
- 色物に使用しない
- 金属部分に使用しない
この2点について注意が必要です。
色物に使用しない
キッチン泡ハイターに含まれる「次亜塩素酸ナトリウム」の特徴は、なんと言っても強力な漂白成分です。
色物や柄物に使うと色落ちしてしまうことがあるので、白色の物のみに使用するようにしましょう。
使った後で「カバーがまだらに白くなってる…」なんてことにはなりたくないですよね。
色物や柄物に対してはキッチン泡ハイターのような塩素系漂白剤は使用しない方がいいです。
その代わり「酸素系漂白剤」を使用すれば色落ちを避けられますので覚えておきましょう。
金属部分に使用しない
次亜塩素酸ナトリウムには金属を腐食させるという特性もあります。
使用する前に布団カバーのチェックをしてみましょう。
ファスナーなどの金属部分はありませんか?
普段、何気なく使っていてファスナーの存在なんて気にしないことがほとんどです。
せっかく色落ちに気をつけて白色のカバーに使ったのに、ファスナーがダメになってしまったらガッカリしますよね。
使用前にファスナーなどの金属部分がないかしっかり確認しましょう。
布団のカビにキッチン泡ハイターを使用する注意点
布団のカビにキッチン泡ハイターを使用するときは、先ほど書いた点に注意して布団を傷めないようにしましょう。
そして布団のどの部分に使用するかに気をつけるといいです。
- 掛け布団、敷き布団本体
- 布団カバーやシーツ
それぞれについて紹介します。
掛け布団、敷き布団本体
布団本体には使用する時は漂白成分が残らないようにしっかり拭き取り、乾燥させましょう。
以下の方法になります。
- 布にキッチン泡ハイターを染み込ませてカビの部分を軽く叩きながら拭く
- お湯を染み込ませた布で、同じように軽く叩きながら拭く
- 乾いたタオルでしっかり拭き取る
- 天日干しでしっかり乾燥させる
先ほど書いたように、色物や柄物に使用すると色落ちしてしまいます。
白色のもののみに使用するようにしてください。
また、キッチン泡ハイターは臭いが残りやすいので、しっかり拭き取って天日干しで乾燥させましょう。
布団カバーやシーツ
こちらも色物や柄物には使用しないようにしましょう。
また、金属部分がないか事前に確認してください。
確認ができたらキッチン泡ハイターを気になる部分にスプレーし、しばらくおきます。
臭いがこもりますので、必ず換気しながら作業をしましょう。
カビの色が薄くなってきたら洗濯機で洗濯し、その後しっかり乾燥させます。
丸洗いできる分、布団本体より楽ですね。
キッチン泡ハイターを使用する側の注意点
また、使用する側も注意しなくてはいけない点があります。
- 酸性成分のものと一緒に使用しない
- 素手で触らない
- 使用中は換気をする
それぞれについて紹介します。
酸性成分のものと一緒に使用しない
キッチン泡ハイターのような塩素系漂白剤は酸性タイプのものと混ぜてはいけません。
パッケージに大きく書いてある「混ぜるな危険!」です。
あの表示を見ると「使って大丈夫かな…ちょっと怖いな」と心配になったりしませんか?
それくらいに使う際には注意が必要です。
塩素系漂白剤をクエン酸や酢酸などと混ぜると塩素ガスが発生します。
その塩素ガスにより粘膜に刺激を感じ、場合によっては肺に大きな影響を与える可能性もあります。
そのためにあれだけハッキリと「混ぜるな危険!」と書かれているのです。
絶対に酸性成分のものと一緒に使用しないようにしましょう。
素手で触らない
キッチン泡ハイターはアルカリ性の強い製品です。
直接皮膚についてしまうと、皮膚を痛める恐れがあります。
必ず台所で使用する炊事用ゴム手袋を使用するようにしましょう。
換気をする
キッチン泡ハイターには漂白剤独特の匂いがあります。
長い時間嗅ぐと気分が悪くなったり、頭痛を引き起こしたりする原因です。
2箇所以上の窓を開けて、換気をしながら使用しましょう。
布団のカビにキッチン泡ハイター以外のおすすめは
キッチン泡ハイターを布団に使うことに抵抗があるときは「重曹+エタノール」とオキシクリーンがおすすめです。
まずはそれぞれの特徴、そして使用方法について紹介します。
重曹
重曹は人体に無害な物質で、ふくらし粉などにも使われている成分です。
その弱アルカリ性の性質により、カビの働きを弱めることができます。
また、小さく丸い形状をしているため、傷をつけることなく研磨も可能です。
エタノール
エタノールは殺菌、消毒力がありカビを分解するのが特徴です。
殺菌、消毒力をいかしてカビの発生を防ぐ効果もあります。
消毒用エタノールも注意を守れば安全に使えるのが嬉しいですね。
使用方法
以下の順番で布団のカビ取りをしてみましょう。
- 布団のカビを濡れたキッチンペーパーで拭き取る
- 重曹スプレー(水100mlに重曹小さじ1)を吹きかける
- スプレーを吹きかけた部分を叩くように乾いたキッチンペーパーで拭き取る
- 消毒用エタノールを吹きかける
- キッチンペーパーで拭き取り、天日干しでしっかり乾燥させる
キッチン泡ハイターより安全に使えるのが重曹+消毒用エタノールの最大のメリットです。
オキシクリーン
オキシクリーンは「酸素系漂白剤」です。
キッチン泡ハイターのような「塩素系漂白剤」より効果は弱いですが、色落ちしにくいメリットがあります。
衣類だけでなくお風呂場やトイレなど色々な場面で使用が可能です。
使用方法
オキシクリーンを使う場合はスプレータイプがおすすめです。
- カビ部分にオキシクリーンをスプレーする
- キッチンペーパーで叩くようにカビを落とす
- 水で濡らしたキッチンペーパーで拭き取る
- 天日干しでしっかり乾かす
スプレータイプなので、用意が簡単で色落ちしにくいのが嬉しいですね。
カビキラーは布団に使える?
カビ退治というとカビキラーが有名で真っ先に頭に浮かびますよね。
しかし、カビキラーは布団に使わない方がいいことがわかりました!
人体に危険な面もあるので、是非こちらの記事を参考にしてください。
まとめ
キッチン泡ハイターは布団のカビ取りに効果があります。
しかし除菌、漂白、消臭に強い力を持っているので、使用には注意が必要です。
- 酸性成分のものと一緒に使用しない
- 素手で触らない
- 使用中は換気をする
布団やカバーへの使い方も、そして使う側もしっかり注意事項を守るようにしましょう。
キッチン泡ハイターの使用が不安だという人は「重曹+消毒用エタノール」や「オキシクリーン」をおすすめします。
ただ、いずれの方法にせよカビ取りをするのは大変なので、普段から布団をしっかり手入れしてカビが発生しないようにしましょう。
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